離婚による年金分割がしたい! 「年金分割制度」とは?
2015年09月25日
離婚により、年金分割ができるようになったと聞きました。どのように手続きするのでしょうか?
平成19年4月以降に、成立した離婚等については、厚生年金の標準報酬を当事者間で分割することができます。この年金分割制度は、離婚時の厚生年金の「合意分割制度」と、平成20年4月以降から実施された第3号被保険者期間についての厚生年金の「3号分割制度」があります。
「分割制度」は、平成19年4月以降に離婚した方に関して、一定要件を満たした場合は、当事者の一方からの請求により、婚姻期間等の厚生年金の保険料納付記録を当事者間で分割することができるようになっています。
「3号分割制度」は、平成20年4月1日以降の婚姻期間中に国民年金第3号被保険者の方は、第3号被保険者期間中の相手の厚生年金について、第3号被保険者の請求により、強制的に2分の1に分割することができるようになっています。
年金分割のポイント
- 平成19年4月1日以降に離婚等をしたこと
- 当事者の合意や裁判手続により年金分割の割合を定めたこと
- 請求期限(原則、離婚の日の翌日から起算して2年)を経過していないこと
- 平成20年5月1日以降に離婚等をしたこと
- 平成20年4月1日以降に、どちらか一方の国民年金3号被保険者期間がある
- 請求期限(原則、離婚の日の翌日から起算して2年)を経過していないこと
情報提供の請求
当事者が分割の是非および按分割合を判断するために「年金分割のための情報提供請求書」に以下の書類を添えて年金事務所(共済組合期間は各共済組 合)に請求を行います。後日、「年金分割のための情報通知書」が届きます。なお、50歳以上の方には、分割した場合の老齢厚生年金の見込み額を、障害厚生 年金受給者には分割した場合の障害厚生年金の見込み額が提供されます。
- 請求者本人の年金手帳または基礎年金番号通知書
- 婚姻期間等を明らかにできる市区町村長の証明書または戸籍謄本、当事者それぞれの戸籍抄本、戸籍全部事項証明書、当事者それぞれの戸籍の個人事項証明書のいずれか
- 事実婚関係があった期間については、世帯全員の住民票の写し等の事実婚関係を明らかにできる書類
按分割合
年金分割の請求を行うには、按分割合を当事者間の合意または裁判手続きにより定めることとなります。
必要書類
- 当事者間の話し合いで合意したとき
公証役場で「公正証書」または「公正証書を受けた私署証明」を作成し、年金分割の請求を行います。
- 家庭裁判所で分割割合を決めるとき
「年金分割のための情報通知書」を基に決めることとなります。
年金分割の請求の手続き
分割の請求は、「標準報酬改定請求書」に以下の書類を添付して年金事務所(共済組合)で手続きを行います。
必要書類
- 請求者本人の年金手帳または基礎年金番号通知書
- 婚姻期間等を明らかにできる市区町村長の証明書または戸籍謄本、当事者それぞれの戸籍抄本、戸籍全部事項証明書、当事者それぞれの戸籍の個人事項証明書のいずれか
- 事実婚関係があった期間については、世帯全員の住民票の写し等の事実婚関係を明らかにできる書類
- 年金分割の割合を明らかにすることのできる書類
(イ)話し合いで合意したとき
公正証書または公証人の私署証書
(ロ)裁判手続きにより按分割合を定めたとき
按分割合を定めた確定審判、調停調書、確定判決または和解調書の謄本もしくは抄本
請求期限
原則、いずれかに該当した日の翌日から起算して2年を経過した場合、請求することが出来ません。
起算日
- 離婚したとき
- 婚姻の取り消しをしたとき
- 事実婚関係にある当事者が第3号被保険者の資格を喪失し、かつ、事実婚関係を解消したと認められるとき